どんな職業か
ネット通販の業務は、「フロント業務」と「バックヤード業務」に大きく分けられる。このうちネット通販の運営はサイト管理、商品管理、商品情報登録、顧客対応、受発注管理、在庫管理などの「バックヤード業務」を担当する。 ネット通販とは、実店舗をもたない通信販売の一形態で、EC(electronic commerce)とも呼ばれている。ECは、法人向け(BtoB)、消費者向け(BtoC)、個人間(CtoC)などの形態がある。この中で、特に消費者向けの取引を「ネットショップ」と呼んでいる。ここでは主に企業が運営するネット通販事業の運営について述べる。 企業規模、業務形態がECモール出店型か自社サイト運営型か、BtoB型(法人向け)かBtoC型(消費者向け)かなどの違いによって業務内容は大きく異なるが、基本業務としては、多数の商品を正確に効率よく取り扱う商品管理、お客の注文を受けてから商品を発送するまでの受発注管理、トラブルなくサイトを安定的に運営するサイト管理が上げられる。また、在庫管理、売り上げ管理等も行う。加えて、お客からの問い合わせ、苦情、商品交換・返品の要望にも随時、対応する。 規模の小さい企業では1人の担当者が運営全般を担っているが、規模の大きな企業では、顧客対応はコールセンターが対応するなど分業化が進んでいる。 いずれにせよ、「フルフィルメント業務」を担当若しくは監督するのが運営担当の仕事である。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 パソコン、スマートフォン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 文章力 | 3.9 | 198 / 498 | 上位40% |
| 説明力 | 3.9 | 250 / 498 | 上位50% |
| 読解力 | 3.7 | 254 / 498 | 上位51% |
| 傾聴力 | 3.6 | 361 / 498 | 上位72% |
| 新しい情報の応用力 | 3.0 | 284 / 498 | 上位57% |
| 他者の反応の理解 | 2.9 | 340 / 498 | 上位68% |
| 交渉 | 2.8 | 297 / 498 | 上位60% |
| 継続的観察と評価 | 2.8 | 312 / 498 | 上位63% |
| 論理と推論(批判的思考) | 2.7 | 289 / 498 | 上位58% |
| 複雑な問題解決 | 2.7 | 327 / 498 | 上位66% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 顧客サービス・対人サービス | 2.4 | 168 / 508 | 上位33% |
| 販売・マーケティング | 2.3 | 75 / 508 | 上位15% |
| 事務処理 | 1.9 | 230 / 508 | 上位45% |
| ビジネスと経営 | 1.8 | 105 / 508 | 上位21% |
| 輸送 | 1.6 | 65 / 508 | 上位13% |
| 日本語の語彙・文法 | 1.5 | 258 / 508 | 上位51% |
| 経済学・会計学 | 1.1 | 187 / 508 | 上位37% |
| コミュニケーションとメディア | 1.1 | 314 / 508 | 上位62% |
| 生産・加工 | 1.1 | 201 / 508 | 上位40% |
| 心理学 | 1.1 | 253 / 508 | 上位50% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| トラブルの察知 | 3.4 | 188 / 426 | 上位44% |
| 記述表現 | 3.2 | 149 / 426 | 上位35% |
| 記述理解 | 2.9 | 194 / 426 | 上位46% |
| マルチタスク | 2.9 | 164 / 426 | 上位38% |
| 演繹的推論 | 2.7 | 246 / 426 | 上位58% |
| 独創性 | 2.7 | 190 / 426 | 上位45% |
| モノの見え方に関する想像力 | 2.7 | 140 / 426 | 上位33% |
| 記憶力 | 2.7 | 275 / 426 | 上位65% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 2.7 | 210 / 426 | 上位49% |
| 発話表現 | 2.6 | 313 / 426 | 上位73% |
仕事内容
- ネット通販事業において、Webサイトや商品の管理、受注・発注の処理や、顧客への対応を行う。
- 管理画面で前日の売上げや、不在時のシステムトラブルの有無を確認する。
- 顧客に入金方法を案内する。
- 先払いの受注について、銀行振込決済、クレジットカード決済等で入金を確認する。
- 後払いの受注について、後払い決済の審査登録を行う。
- 入金確認後、もしくは後払い決済の審査通過後、物流部門に発送の指示を出す。
- 注文を受けた商品をピッキング、検品し、梱包・箱詰めする。
- 注文を受けた商品の発送作業を自ら行う。
- 発送準備中、発送済み等、お客の受注ステータスを適宜更新する。
- お客からの問い合わせ、苦情、交換・返品の要望等に対応する。
- 在庫管理、売上げ管理、システム管理等のバックヤード業務の効率化を図る。
- 通販のシステム会社と折衝する。
- 販売拡大のため、WebページやSNS、メルマガでの広告を企画する。
- 海外製品の品質を調査し、仕入先や輸入方法を決定する。
- 新商品を開発する。
- 新商品について写真や商品説明、管理番号等、必要な情報をそろえて登録する。
なるには
入職にあたって、特に学歴や資格は必要とされない。新卒の場合は、ネット通販企業かネット通販部門をもつ企業に入職してネット通販部門に配属、若しくは他部門に配属された後、異動により担当するという形になる。中途採用の場合は、職種を限定した求人がほとんどなので、そのままネット通販部門に配属になるケースが多い。急成長分野であるため、人材不足の状況であり、即戦力が期待される中途採用などの求人は多い。 なお、ネットショップを個人で開業して食品を販売する場合には食品衛生法に基づく営業許可が必要なように、扱う商品によっては販売免許が必要なこともある。 ECに関する関心と知識があること、パソコンやスマートフォンなどの情報機器を抵抗感なく使いこなせることが求められる。基本的にはデスクワークが多いが、社内の各部署との連携・連絡が欠かせない仕事でもあり、フットワーク良く横断的なコミュニケーションをとる機動性も必要である。また、運営の仕事は、「事故がなくて当たり前」の「裏方」業務であり、常に全体を見渡しつつ地道で堅実な作業ができることが求められる。直接お客に対応する仕事もあり、誠実に丁寧な対応ができるコミュニケーション能力も重要である。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| わからない | 0.4 |
| 大卒 | 0.3 |
| 高卒 | 0.3 |
| 短大卒 | 0.2 |
| 専門学校卒 | 0.1 |
| 高専卒 | 0.1 |
給料
賃金構造基本統計調査では「営業・販売事務従事者」として集計されています(2023年・全国)。この区分には6の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 330.9千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 991.7千円 |
| 平均年齢 | 42.2歳 |
| 平均勤続年数 | 12.6年 |
| 労働者数 | 91,926人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤283.3千円
- ≤298.3千円
- ≤306千円
- ≤321.4千円
- ≤391千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「事務従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率0.7%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人73.4千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比19.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比17.6%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
事務従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 事務61.6%
- 販売12.3%
- 専門的・技術的職業9.2%
- サービス職業8.8%
- 管理的職業3.5%
- 運搬・清掃・包装等1.9%
- その他2.6%
この分類に入った人のうち、38.4%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
ネット通販の運営主体としては、自社製品を販売するメーカー系の事業者、実店舗も運営している流通系の事業者、カタログ販売やテレビショッピングを展開してきた通販系の事業者、オンラインのみの販売を前提に出品や出店企業を集めて運営するECプラットフォーム系の事業者に分かれる。 個人で開業をする場合を除けば、基本的に企業の中の職務(仕事)であり、労働時間や給与などの待遇は各社の社内規定に準拠する。 年齢的には、20代後半から30代、40代前半が中心のところが多い。扱う商品や事業形態によって異なるが、比較的女性の比率が高い仕事である。 日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)の市場規模は26.1兆円であり、年々拡大している。そのうち、物販系分野(食品、生活家電、衣類、生活雑貨等)をみると15.2兆円、また、EC化率は9.8%と上昇しており、商取引の電子化が進展している。書籍、映像・音楽ソフト(56.5%)、生活家電、AV機器、PC・周辺機器等(43.0%)のように高い値を示すものもある。なお、国内のBtoB-EC(企業間電子取引)の市場規模は514.4兆円、また、EC化率は43.1%と増加傾向にある。(2024年時点*)。ネット通販の仕事については引き続き需要が見込まれる。 *経済産業省 令和6年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- リサイクルショップ店員近さ 0.716
- Webデザイナー(Web制作会社)近さ 0.681
- イラストレーター近さ 0.656
- 通信販売受付事務近さ 0.625
- データ入力近さ 0.624
- 一般事務近さ 0.605
- ディーラー近さ 0.605
- 製版オペレーター、DTPオペレーター近さ 0.588
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)