どんな職業か
上場企業において、その企業の経営に関する事項をアナリストや投資家に対して提供する。 IR(インベスターリレーションズ)とは株主・投資家に対して投資判断に必要な企業情報を適時、公平に継続して提供する活動を意味し、アナリスト・投資家との間で良好な関係を築き、アナリストや投資家が企業価値を適正に評価できるようにするものである。PR広報もその企業の価値の増大を目的とするものであるが、「パブリック」リレーションのとおり、その対象が広範にわたっていることと対比させれば、IR広報は、企業広報の中の専門的な一分野であると位置付けることができる。 具体的な業務としては、大きくは、対面(対人)活動と報告書・出版物の作成・発行とに分かれる。 対面(対人)活動は、企業説明会、決算説明会、事業部門説明会、施設見学会等を設定し、経営方針や企業理念の説明等を行うこと、アナリスト・投資家等との個別ミーティング、勉強会等の計画、実施、マスメディア等の取材への対応も担当する。 取締役会や経営会議、あるいは取締役や経営者に対して、直接、投資家をはじめとした市場の声を報告・説明することも重要な仕事である。報告書・出版物の作成・発行には、定期的なレポートの作成と関係者への送付、アニュアルレポートの作成・発行、これらを整理・統合した事業報告書、環境報告書、CSR報告書などの出版物の作成・発行から、適宜のプレスリリースなどが含まれる。さらに、ウェブサイト上で提供されるIR情報の企画・管理・運営も行う。 これらを適切に遂行するため、外部機関が開催する勉強会等に参加し、最新の情報を収集することはもちろん、経理・財務はじめ企画や営業、技術など社内の関連部門から情報を収集することが求められる。業界によっては、投資家の欲しい情報が経営事項にとどまらず、研究や専門技術の範疇に及ぶこともあり、社内の広い人脈が必要である。 ◇ よく使う道具、機材、情報技術等 文書作成ソフト(Word、一太郎等)、プレゼン資料作成ソフト(PowerPoint、Keynote等)、パソコン
この職業に求められるもの
job tag の数値情報から、この職業で重要度が高い項目を並べています。「全職業中の順位」は、収録されている全職業の中でこの項目のスコアが何番目に高いかです。
重要度の高いスキル
スキル
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 傾聴力 | 5.1 | 82 / 498 | 上位16% |
| 文章力 | 5.1 | 43 / 498 | 上位9% |
| 説明力 | 4.9 | 69 / 498 | 上位14% |
| 読解力 | 4.8 | 85 / 498 | 上位17% |
| 他者との調整 | 4.6 | 38 / 498 | 上位8% |
| 論理と推論(批判的思考) | 4.3 | 50 / 498 | 上位10% |
| 説得 | 4.2 | 75 / 498 | 上位15% |
| 他者の反応の理解 | 4.1 | 103 / 498 | 上位21% |
| 新しい情報の応用力 | 4 | 82 / 498 | 上位16% |
| 交渉 | 3.9 | 105 / 498 | 上位21% |
知識
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 事務処理 | 3.1 | 31 / 508 | 上位6% |
| 経済学・会計学 | 3.0 | 8 / 508 | 上位2% |
| ビジネスと経営 | 3.0 | 10 / 508 | 上位2% |
| コミュニケーションとメディア | 2.9 | 18 / 508 | 上位4% |
| 顧客サービス・対人サービス | 2.8 | 84 / 508 | 上位17% |
| 販売・マーケティング | 2.8 | 31 / 508 | 上位6% |
| 日本語の語彙・文法 | 2.8 | 43 / 508 | 上位8% |
| 法律学、政治学 | 2.2 | 52 / 508 | 上位10% |
| 外国語の語彙・文法 | 2.1 | 45 / 508 | 上位9% |
| 人事労務管理 | 1.9 | 50 / 508 | 上位10% |
アビリティ
| 項目 | スコア | 全職業中の順位 | 位置 |
|---|---|---|---|
| 記述表現 | 3.5 | 52 / 426 | 上位12% |
| 発話表現 | 3.4 | 106 / 426 | 上位25% |
| 記述理解 | 3.3 | 81 / 426 | 上位19% |
| 発話理解 | 3.3 | 106 / 426 | 上位25% |
| トラブルの察知 | 3.3 | 244 / 426 | 上位57% |
| 記憶力 | 3.2 | 32 / 426 | 上位8% |
| 演繹的推論 | 3.1 | 112 / 426 | 上位26% |
| 帰納的推論 | 3.0 | 123 / 426 | 上位29% |
| 法則に基づいた情報の並べ替え | 3.0 | 72 / 426 | 上位17% |
| アイデアや代案を数多く生み出す力 | 3 | 126 / 426 | 上位30% |
仕事内容
- 上場企業において、その企業の経営に関する事項を、株主や投資家に対して提供する。
- 経営方針や企業理念を紹介する企業説明会、決算説明会、施設見学会等を設定し、説明等を行う。
- 投資家・アナリスト等とのミーティング、勉強会等を主催する。
- マスメディア等の取材に対応する。
- 経営トップに対して直接報告・説明をする。
- 取締役会や経営会議などにおいて報告・説明をする。
- レポートを定期的に作成し、関係者へ送付する。
- アニュアルレポートを作成・発行する。
- ファクトブック、事業報告書、環境報告書、CSR報告書などの出版物を作成・発行する。
- プレスリリースを作成・発出する。
- IRサイトを運営する。
- 株主優待制度を運営する。
- 個人投資家向けにIR施策を実施する。
- 株主と個別に面談する。
- SDGsなどの社内浸透活動を企画・運営する。
- ESG評価機関に対応する。
- 知財に関連する業務を行う。
- 外部機関が開催する勉強会等に参加し、最新の情報を収集する。
- 経理・財務はじめ企画や営業、技術など社内の関連部門から情報を収集する。
なるには
この仕事に就くために、特に学歴や資格は必要とされないが、大学・大学院卒がほとんどである。自社についての様々な知識が求められることから、採用と同時に配属されることは少なく、社内の他部門から異動によってIR広報に配属されるのが基本である。経理・財務担当経験者が多いが、営業、企画などの経験者もいる。中には、技術系の人材も必要であるとして専攻分野の限定を積極的に避ける企業もある。 自社製品や経営状況、業界動向についての知識のほか、経理・財務・法律、資本市場などの知識、そして、説明会の設営やレポート作成のための企画力、的確な情報伝達力も必要となる。投資家やアナリスト等との良好な関係構築のための高いコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も求められる。また、グローバル化進展の中、海外投資家への説明対応機会も増えることから、英語能力の重要度が増している。
就いている人の学歴
| 学歴 | 割合の目安 |
|---|---|
| 大卒 | 0.9 |
| 修士課程卒(修士と同等の専門職学位を含む) | 0.1 |
| 高卒 | 0.0 |
| 短大卒 | 0.0 |
| わからない | 0.0 |
| 高卒未満 | 0 |
給料
賃金構造基本統計調査では「企画事務員」として集計されています(2023年・全国)。この区分には8の職業がまとまっています。
| きまって支給する現金給与額 | 409.5千円 |
|---|---|
| 年間賞与その他特別給与額 | 1,540.8千円 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 平均勤続年数 | 13.7年 |
| 労働者数 | 40,035人 |
男女で見た給与
月額給与の推移
都道府県別の月額給与
- ≤316.2千円
- ≤335.6千円
- ≤357.6千円
- ≤379.9千円
- ≤443.1千円
この分類の人はどれくらい動いているか
ここから下は、この職業が属する「事務従事者」という大きなくくりの数字です。職業ひとつずつの統計は無いため、国の調査で使われている職業分類の単位で見ています。
- 欠員率0.7%働いている人に対して、まだ埋まっていない求人の割合
- 未充足の求人73.4千人募集したのにまだ決まっていない人数
- 入職者の構成比19.1%1年間に仕事に就いた人のうち、この分類が占める割合
- 離職者の構成比17.6%1年間に仕事を離れた人のうち、この分類が占める割合
事務従事者に入った人は、前はどんな仕事をしていたか
- 事務61.6%
- 販売12.3%
- 専門的・技術的職業9.2%
- サービス職業8.8%
- 管理的職業3.5%
- 運搬・清掃・包装等1.9%
- その他2.6%
この分類に入った人のうち、38.4%は別の分類の仕事から移ってきています。未経験からの入りやすさをはかる目安になります。
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)
働き方の特徴
基本的には上場企業の正社員であり、企業内の人事異動により配置される。業界団体の調査によれば、IR広報専任者の人数は1社当たり2人、在職年数は平均5年弱となっている。 賃金、労働時間等労働条件は勤務先の規定による。時期により仕事の繁閑があり、決算発表前等は残業が多くなる。 近年、社外取締役制度の厳格化や環境配慮といった非財務情報への注目等、企業ガバナンスに対する関心がさらに高まっており、IR広報に対しても、コンプライアンスや適切なディスクロージャーに関する認識・感覚の一層の向上が求められている。
仕事の内容が近い職業
スキル・知識・アビリティ・仕事の性質・仕事活動の187項目を標準化して、この職業とどれくらい近いかを計算しています。
- 公認会計士近さ 0.837
- アクチュアリー近さ 0.800
- 人事コンサルタント近さ 0.791
- 広報コンサルタント近さ 0.768
- マーケティング・リサーチャー近さ 0.764
- 内部監査人近さ 0.758
- 経営コンサルタント近さ 0.751
- 弁護士近さ 0.750
職業情報提供サイト(job tag)/厚生労働省 職業情報データベース(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 作成) 数値系 Ver 7.00/解説系 Ver 7.01(2026年7月30日取得)
賃金構造基本統計調査(厚生労働省)「令和2年以降 一般_都道府県別_職種(特掲)DB」を加工して作成
雇用動向調査 職業別 未充足求人数・欠員率(2021年)
雇用動向調査 職業別 入職・離職者構成比(2017年)
雇用動向調査 現職職業×前職職業 別入職者数(2019年)